はじめに
これまで長らく愛用していたTAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD(以下TAMRON 18-300)。
高倍率ズームでありながらしっかり写るし、寄れるし、動画にも使える万能レンズでした。
ただ、やはり「望遠の描写力」と「操作性」にもっとこだわりたい――。
そんな思いがふつふつと湧いてきて、ついに一歩踏み出しました。
乗り換えたのは、SONY純正のSEL70350G(E 70-350mm F4.5-6.3 G OSS)。
Gレンズ!
APS-C専用の本格望遠ズームです。
この記事では、両レンズのスペック比較を挟みつつ、実際に使ってみてどうだったかを正直にレビューします。
- はじめに
- なぜ乗り換えたのか
- スペック比較:TAMRON vs SEL70350G
- 乗り換えてよかったところ
- TAMRON 18-300が恋しくなる場面
- 作例:遠くのあの子を、しっかり切り取る
- おわりに|高倍率ズームから卒業して気づいたこと
なぜ乗り換えたのか
TAMRON 18-300は“全部入り”の高倍率ズームとしては最高レベル。
特に寄れる点は本当に助かりました。

最短撮影距離0.15mという驚異的な性能で、マクロ代わりに使っていたことも多々あります。
それでも手放す決断をしたのは、以下の3つの理由から。
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望遠端の画質に限界を感じた → 300mm(換算450mm)でも「もう少し寄りたい」と感じる場面が増えてきた。
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もっと望遠らしい背景ボケが欲しかった → 近づけるレンズとはいえ、焦点距離によるボケの“厚み”には限界がある。
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純正ならではのAF精度とOSS(手ブレ補正)に期待した → 動画も撮るので、AFと手ブレ補正は妥協したくなかった。
スペック比較:TAMRON vs SEL70350G
両者のスペックを見比べてみると、それぞれに長所・短所があるのがよくわかります。
項目 | TAMRON 18-300mm
F/3.5-6.3 |
SONY
SEL70350G |
---|---|---|
対応マウント | Sony E(APS-C) | Sony E(APS-C) |
焦点距離 | 18-300mm(換算27-450mm) | 70-350mm(換算105-525mm) |
開放F値 | F3.5-6.3 | F4.5-6.3 |
最短撮影距離 | 0.15m(W)/ 0.99m(T) | 1.1m(全域) |
最大撮影倍率 | 0.5倍 | 0.23倍 |
重量 | 約620g | 約625g |
フィルター径 | φ67mm | φ67mm |
手ブレ補正 | あり(VC) | あり(OSS) |
特徴 | 高倍率ズーム、超マクロ級の近接性能 | Gレンズ、AFロックボタン、ズームロックスイッチ、望遠画質特化 |
こうしてみると…
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TAMRONの強み:広角から望遠まで1本で済む&マクロ的に使える近接性能。
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SEL70350Gの強み:望遠端の伸びと純正ならではの描写力・AF性能。
どちらも約620g前後と、重量差はほぼなし。
つまり「画角の幅と寄れる能力」か「望遠特化の高描写力」か、どちらを取るかという選択になります。
乗り換えてよかったところ
1. 換算525mmの世界がすごい
まず最初に驚いたのが、「525mmってここまで寄れるのか!」という世界の広がり。
鳥や子どもの運動会だけじゃない。
家の近くの公園、遠くのビル、犬の散歩風景さえも、まるで“スナイパー”のように切り取れる。
TAMRONの450mmでも十分とは思っていたけれど、さらにあと一歩があるって嬉しい。
望遠端でのボケの質も厚みがあって、一眼らしい立体感を得やすくなりました。
2. 手ブレ補正が強力
SONYのOSS(Optical SteadyShot)は、動画撮影時にもかなり効きます。
三脚なしでテレ端を動画に使っても、滑らかに追従するのがありがたい。
特に家族動画を撮っていると、ちょっとした手ブレが気になる場面も多い。
子どもが急に動いてもAFはしっかり追従し、補正は自然で「観やすい」動画に仕上がる。
瞳AFで常に追い続けてくれます。
これは純正ならではの安心感。
3. 操作性が段違い
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AFロックボタン
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ズームロックスイッチ
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フォーカスホールドのカスタマイズ
など、撮影に集中できる物理操作系が充実しています。
やっぱり純正Gレンズ、ちゃんと撮る人に向けて設計されてる。
とくにズームロックは意外と便利。
ぶら下げて移動していても鏡筒が勝手に伸びないって、実は快適なんですよね。
tamron18-300の時に使用して以来、絶対必要な機能だなと感じています。
TAMRON 18-300が恋しくなる場面
正直に言えば、「ちょっと寄りたい」場面ではTAMRONが恋しいです。
70-350Gは最短撮影距離が1.1mと、そこまで寄れるレンズではないため、室内や近距離スナップには不向き。
TAMRONは28mmくらいで撮れば0.2mくらいまで寄れるので、ちょっとした物撮りや料理にも使えてました。
それから、屋外の撮影では花と昆虫を撮る時にも重宝していました。
ただ、そこは割り切って他のレンズに任せることにしました。
たとえば、SEL15F14GやSEL1670Zを併用すれば問題なし。
役割分担がはっきりしたことで、むしろ全体の撮影効率は上がったかもしれません。
作例:遠くのあの子を、しっかり切り取る
田んぼで見つけたキジ、番でしょうか。メスは毛並みまではっきりと、オスは周りの自然とのコントラストがとても美しく描写されています。
公園で遊ぶ、家族のワンシーン。遠くの砂場の様子が自然に撮れました。
河辺のアゲハ蝶。飛び立つ瞬間です。
頭上遠くの花も、こんなに綺麗に写ります。
このレンズ、自然な距離感のまま親密な写真が撮れるのが最大の魅力かもしれません。
おわりに|高倍率ズームから卒業して気づいたこと
TAMRON 18-300mmは、1本で何でも撮れるという安心感がありました。
でも、そこから一歩踏み出して特化型のレンズに切り替えると、見える世界も変わります。
SEL70350Gは、望遠を本気で楽しみたい人のための一本。
子どもやペットをもっと自然に、でも印象深く撮りたい。
そんな思いを持っていた自分には、ベストな選択だったと思っています。
これからも、525mmの世界をどんどん切り取っていきたい。
もちろん、寄りの世界は他のレンズに任せながら。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。