- 1. はじめに:万能ズームに感じた物足りなさ
- 2. TAMRON 18-300mm:万能だけど、すべてが完璧ではない
- 3. SEL70350G:解像力と純正OSSの安心感
- 4. 中古価格とサイズ感の比較
- 5. 私の用途と“解像感”の価値
- 6. 結論:35,000円の差、それは“満足感”の差
- おわりに
1. はじめに:万能ズームに感じた物足りなさ
カメラ趣味にどっぷり浸かってくると、誰もが一度は直面する「レンズどうする問題」。
私も例外ではなく、現在使用している TAMRON 18-300mm F3.5-6.3 Di III-A VC VXD に満足しながらも、次のステップに進むかどうか、悩んでいる最中です。
このレンズはA6700と同時に購入した、いわゆる“万能ズーム”。
旅行でもスナップでも、とりあえずこれ一本で事足りてしまう便利な相棒でした。
特に、テーブルフォトや花の接写といったマクロ寄りの撮影ができる点が気に入っていました。
趣味の観葉植物を撮影するときも、葉っぱ一枚一枚に寄って取れるのでとても満足でした。

でも、広角単焦点のSEL15F14Gを導入してからは、近接撮影はそちらに任せるように。

気づけば、TAMRON 18-300mmは 野鳥撮影など超望遠専用 のレンズに変わっていました。
そして、その運用の中で気になり始めたのが「望遠端での解像感の甘さ」でした。
せっかくわがまま大三元と称して揃えてきたのに、ここでもっと解像感を上げたい!と更なるわがままが発動する始末…
そこで検討に挙がってきたのが、ソニー純正GレンズのSEL70350G。
中古価格で差額は約35,000円。
果たしてこの投資に見合う価値はあるのか? 実際のスペックや使用感を踏まえて、比較していきます。
2. TAMRON 18-300mm:万能だけど、すべてが完璧ではない
TAMRON 18-300mmの強みは、何といっても焦点距離の広さ(換算27-450mm)とマクロ撮影性能。
ちょっとした物撮りから、野鳥、風景までこなせる“万能感”は圧倒的です。
加えて、620gと軽量なのもAPS-Cボディと相性が良く、旅行や街歩きでもストレスなく使える優秀な一本です。
しかし、広範囲をカバーするがゆえに、特に望遠端での解像感に限界を感じてきたのも事実。
A6700の高精細なセンサーを活かしきれていないと感じる瞬間が何度かありました。
3. SEL70350G:解像力と純正OSSの安心感
一方、SEL70350Gは望遠専用のズームレンズ(換算105-525mm)で、描写性能を優先した設計。
実際にネットの作例やレビューでも、羽の一本一本がしっかり写った野鳥写真が目立ちます。
正直、TAMRONとは“別物”に感じるくらい解像感の差があります。
そして、もうひとつ注目したいのがOSS(Optical SteadyShot)。
TAMRONにも手ブレ補正はあるのですが、SEL70350Gはソニー純正のボディと連携した補正機構のため、特に高倍率側の安定性に期待できます。
野鳥などでシャッター速度が稼げない場面では、この差が大きく効いてきます。
4. 中古価格とサイズ感の比較
現在私が所有しているTAMRON 18-300mmは、中古で約55,000円で売却できそう。
一方、SEL70350Gの中古相場は約90,000円前後。
その差は35,000円。
単純な“金額差”以上に、得られる体験の“質”に価値を見出せるかが判断のカギです。
ちなみに、サイズや重量は以下の通り。
レンズ名 | 重量 | 長さ |
---|---|---|
TAMRON 18-300mm | 約620g | 125.6mm |
SEL70350G | 約625g | 142mm |
重さはほぼ同じ、長さはSEL70350Gの方が少し長い程度。
どちらもA6700と組み合わせても持ち運びに大きな負担はありません。
5. 私の用途と“解像感”の価値
最近の私の撮影スタイルは、野鳥や遠くの被写体にズームして細部まで撮るような使い方がメイン。
つまり、TAMRONの万能性よりも、“望遠でどれだけ細かく写せるか”の方が大事になってきました。

そんな中でのレンズ選びなので、多少焦点距離が短くなっても、解像感が高く、手ブレ補正に強いSEL70350Gは理想的な候補になってきています。
6. 結論:35,000円の差、それは“満足感”の差
TAMRON 18-300mmは本当に素晴らしいレンズです。
一本目としての満足度は間違いなく高く、私のカメラ生活を支えてくれた立役者でもあります。
ただ、撮影スタイルが変わり、より“特化”した性能を求めたくなった今、SEL70350Gへのステップアップは“スペックアップ”というより“方向転換”だと感じています。
解像感、手ブレ補正、中古価格での資産価値。
これらをトータルで考えると、35,000円という差は“安心と満足感への投資”として、十分に価値があるのではと思い始めています。
最終的な判断は、TAMRON 18-300mmでの最後の撮影を経てからにしようと思いますが、今のところ気持ちはSEL70350Gに傾いています。
おわりに
この記事が、同じようにレンズ選びで迷っている方の参考になれば嬉しいです。
万能か、専門か。スペックか、使い心地か。
自分の実力不足を棚に上げつつ、レンズへのわがままは尽きません。
その選択は人それぞれですが、迷う時間すら楽しいのがレンズ沼の魅力かもしれませんね。